健康Q&A:胃炎

【Q】ひんぱんに胃がしくしく痛みます。一度胃潰瘍ではないかと心配して病院に行っ
たことがあるのですが、「胃炎」だと云われました。「胃炎」にならないためにはど
んな生活を心がければよいのでしょうか。胃炎と胃潰瘍の違い、どのような生活をし
ていると胃炎になりやすいのか、予防策、LG21などの胃で働くヨーグルトなどについ
て教えてください。
【A】
 胃炎には,急性胃炎と慢性胃炎があり,それぞれ原因や症状が異なります。急性胃
炎は,食べ物やアルコール,消炎鎮痛剤などが原因で,腹痛,胸焼け,吐き気などの
症状が突発的に起こります。症状が現れた時期や原因がはっきりしているのが急性胃
炎の特徴です。慢性胃炎は,日本人に見られる胃炎のほとんどで,胃のもたれ,不快
感,食欲不振などが何となく起こるといった不定愁訴(しゅうそ)が見られ,こういっ
た症状のほとんどは,いつから始まったのかはっきりしません。
 急性胃炎は胃の壁の粘膜に炎症が起こったもので,原因が取り除かれれば数日で軽
快します。慢性胃炎は胃の粘膜に繰り返し炎症を起こした結果,胃液を分泌する胃
腺(せん)組織の破壊,減少,消失がみられるものです。胃潰瘍は胃の粘膜に欠損がで
きる病気です。「強い胃の痛み」はたいていは,慢性胃炎ではなく,急性胃炎または
胃潰瘍になっている場合ですが,自覚症状だけでは胃炎や胃潰瘍の確定診断はできま
せん。胃癌などでも心窩部(しんかぶ)痛(みずおちの痛み)や胸焼けなどの症状がある
ので,必ず検査(胃透視か胃内視鏡検査)が必要です。
 暴飲暴食が原因の急性胃炎では,1日食事を抜き,番茶などで水分だけを補給しま
す。軽い場合は,これだけで症状が軽快します。症状が取れたら,おかゆなどやわら
かい食べの物を少しずつ食べていき,3日目くらいからふつうの食事にもどします。
薬の副作用が原因の場合は,原因となる薬の服用をやめ,刺激のないやわらかい食べ
物をとるように注意すれば,症状はよくなります。もし3日たっても症状が快方に向
かわないようなら,急性胃炎ではなく別の病気を疑う必要があります。
 日本人に多く見られる慢性胃炎のほとんどは,胃の粘膜に生息しているピロリ菌(
ヘリコバクター・ピロリ)という細菌が原因であることがわかっています。ピロリ菌
に感染し,その後,長い年月をかけて胃炎が進行して,慢性胃炎となるのです。また,
胃潰瘍の9割も原因がピロリ菌です。慢性胃炎の人は,消化のよいやわらかい食べ物
を食べるようにし,コーヒーや香辛料を多く使った料理を避けるようにします。タバ
コは粘膜の血流を減少させるのでよくありません。また,炭酸飲料やアルコール類も
胃を刺激するので,飲まないようにしましょう。慢性胃炎の薬物療法では,制酸剤,
粘膜防御剤,胃運動促進剤などが使われますが,漢方薬も効果的です。最近,東海大
学と明治乳業などの研究グループが,特定の乳酸菌にピロリ菌を減らす作用があるこ
とを突きとめ,明治乳業から「プロビオヨーグルト LG21」が発売されました。この
製品は,ピロリ菌に対する治療薬というよりは予防目的の食品として効果が期待でき
ます。
 肉体的・精神的ストレスから急性胃炎や慢性胃炎,胃潰瘍になる場合が多いので,
過労に陥らないように休息や睡眠を十分に取るように心がけゆったりとした気分で過
ごすことが,予防の第一です。しかし,ピロリ菌が原因の慢性胃炎や胃潰瘍の人は,
ピロリ菌を除去しない限りほとんどの人が再発をくり返します。そこで,慢性胃炎の
人はピロリ菌に感染しているかどうか調べる検査を行い,感染者はピロリ菌を除去す
るために抗生物質による根本治療(除菌療法)を受けることをお勧めします。

                         (2005年1月 〆谷 直人)