健康Q&A:ものもらい

【Q】よく「ものもらい」になります。予防方法と、なってしまったときの対処方法
を教えてください。

【A】
 はじめはかゆく,次第にまぶたが赤く腫れ,痛くてうっとうしい「ものもらい」は,
大阪では「めばちこ」と呼ばれ,地方によって「めいぼ」や「めぼ」など様々な呼び
方をされています。一般的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)を指しているようですが,麦
粒腫と霰粒腫(さんりゅうしゅ)という2種類の目の腫れ物を意味していることもあり
ます。
 麦粒腫は,まぶたのふちにある脂腺に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して,炎症
を起こしたものです。ほとんどはまぶたの外側にできる外麦粒腫で,まばたきをした
時に異物感がある程度ですが,内側にできる内麦粒腫はかなり痛みます。霰粒腫は,
脂腺が詰まってできた脂肪のしこりで,触るとコリコリとしますが,通常痛みはあり
ません。また,麦粒腫は炎症がおさまれば数日で治りますが,霰粒腫は放っておくと
同じ状態のまま何ヶ月も続くことがあります。いずれにせよなってしまった時は,放
置せずに眼科医の診察を受けましょう。抗生物質の点眼薬・眼軟膏などの外用薬や内
服薬を用いると,大抵は1〜3日で症状が軽くなり,1週間くらいで治ります。ある程
度進行してしまったものは,切開して膿を出すこともあります。なお,市販の「抗菌
薬」とよばれる薬はほとんど効きません。
 ものもらいは,まぶた周辺が不衛生になることがいちばんの原因ですが,コンタク
トレンズの汚れ,疲労や寝不足などによる体調不良,栄養不足なども原因として挙げ
られます。したがって,多くは普段のちょっとした心掛けで予防できます。まつげの
根元部分は雑菌がたまりやすいためお化粧が入り込むとなおさら不衛生になるので,
できるだけアイラインは避けるようにし目の周りをしっかりとお化粧しない(化粧品
や道具ではなく化粧の仕方に注意),メイクを落とす時にはまつげの根元に蒸しタオ
ルをあてて汚れをきれいに拭き取る,洗顔の際には目の縁をよく洗う,前髪が目に掛
からないようにする,コンタクトレンズを不潔な指で脱着しないなど衛生状態に気を
配ってください。ものもらいは再発することもあるので,できやすい体質の人は体調
管理をしっかりとし,清潔とバランスのとれた食事を心掛けます。
 ものもらいは,人から人へうつることはありません。家族や友人がものもらいになっ
たからと言って,接触するのに神経質にならなくても大丈夫です。

                         (2004年1月 〆谷 直人)